神岡鉄道紀行 その1:廃線”神岡鉄道”

いやぁ、混んでます。「鉄子の旅」でみたことはあったけど、こうも混むものなんですね。


どこに行って来たかというと、富山市飛騨市を結ぶ神岡鉄道に乗ってきました。2006年12月1日に廃止されるというので神岡鉄道には開設以来の乗客が訪れているらしい。ホームに溢れるのは鉄道ファン、廃線マニアたちだけではない。確かに、各駅に最低でも5人くらい写真を撮っている人はいるが、年輩の方かなりいらっしゃる。昔旅行で来たとか山登りに来たとかそういったなにかがあるのだろうか?


 ↑ 2両編成の神岡鉄道

神岡鉄道は全部で19.9kmしかないローカルな路線だ。ここに人が殺到しているので、2両の車両では明らかにまかないきれない。終着駅、奥飛騨温泉口駅についたら、乗車制限もありえるのでご了承くださいとしきりにアナウンスしていた。


 ↑ 混み合う奥飛騨温泉口

テントを張って魚の塩焼きやらヤキソバやらまるでお祭り。テレビも3つくらいは来ていた。そんななか、駅員だけが、明らかに大量のお客に慣れていないそんな感じ。特設ステージでは近所の人だろうか気分良く歌っている。合唱部らしき学生もいる。やはりお祭りだ。


で、なぜここにいるのかというと、前に東北を調べていた時に、くりはら田園鉄道という来年春に廃止になる私鉄がある事を知って気にとめていた。最近(といってもほんの2日前)、他にも神岡鉄道鹿島鉄道線、全線廃止ではないが西鉄宮地岳線の一部(西鉄新宮〜津屋崎)が今年度中に廃止されるという事を知り、年末年始で九州にも行く感じだしそれらを回ることにした。調べてみると、ほかは2007年4月1日付けで廃止(2006年3月31日まで運行)なのだが、神岡鉄道だけ2006年12月1日廃線というではないか。


それを知ったのが11/24。それも夜。運行最終日は11/30。つまり残る土日は11/25・26しかない。でも11/25は仕事。
本当に行くなら行ける日は1日しかなく、決断までに残された日は1日無いということだ。直前に知ったのを不幸と思うか間に合う時間に知った事を幸せと思うか。こんな差し迫った状況を突然突きつけられて反応しないような事柄にアンテナは張っていないし、そんなギリギリ感を楽しんでしまう程のバカ要素を持っていて、これと決めたら動けるだけの行動力は持っていて行かないわけない。


実際の所、行くか行かないかを迷わずどう行くかだけを考えていた。行きは土曜夜発の「北陸」。急行「能登」でもいいんだけど、寝台列車に乗ったこと無いので、どうせなら乗りたい。唯一の不安要素は、寝台列車「北陸」が空いているのかどうかだけ。ネットで調べても夜中は調べられないらしい。朝までわからないがとりあえず計画を立てる。何度も計画を立てているのが活かされる時がきた。


独自のネットワークや鉄道仲間を持たずピンで動く自分は、夜までいても多分飽きるので、早めに目的の神岡鉄道を乗り終えた方がいい。高山本線が角川〜猪谷間で不通・バス代行輸送の為、南下して高山本線を完乗し東海道側に出て新幹線かなんかで帰る、ということが出来ない。ちょっと残念。新潟に歩みを戻すか、足を伸ばして10月に通り抜けた北陸を回るか。


急遽限られた合間を縫って出かけてきているので、土曜も日曜も車中泊で月曜朝そのまま出勤しなければならない。つまり行きも帰りも夜行。出来れば寝台がいい。「北陸」往復とフリーエリアを考えると、「北陸フリーきっぷ(普通車)」を使えば確か安かったはず。


こうして廃線体験の為の旅が人生初のブルートレイン搭乗計画となりました。

(つづく)